ラグスクリューボルト(以下LSBと記す)は軸部の周囲に雄ネジを加工し、その端部に
雌ネジまたは雄ネジを設けた接合具です。木材に予めLSBの谷径とほぼ同寸の先孔を設
け、その先孔に専用の工具を用いてLSBをねじ込みます。「ラグスクリュー(コーチボ
ルト)」と異なり、LSBの軸方向への引張力に抵抗することを主目的としています。
さまざまなコネクタと組み合わせることで、ラーメン接合部やトラス接合部などを構成す
ることが可能です。
メリット
1.高耐力、高剛性
1本で30トンの荷重に耐える高耐力を発揮することが可能である。また、6トンの荷重
でわずか0.1ミリの変位だけという非常に固い接合部を構成することが可能である。
2.美しい接合部
LSBは木材内部に隠れるので、美しい木肌を活かした接合部を実現することが可能であ
る。
3.高い施工性
LSBは予め工場でねじ込まれ、現場ではねじ締め程度の簡単な方法で接合できるため施
工が容易である。また、接着材を使用しないため温度管理等の養生も不要である。
4.燃え代設計対応
LSBは木材内部に挿入され、木材の周囲に加工穴が発生しないため、燃え代設計にも対
応可能である。
5.粘り強さ
接続するコネクタ等を降伏させることで、エネルギーを吸収できる粘り強い接合部を構成
することが可能である。
デメリット
1.木材に深い先孔を設けるので、加工精度が重要である。
2.接続するコネクタを含めた接合部の耐力を正しく評価する手法の確立が重要である。
木材へのねじ込み
LSBを木材に正確にねじ込む際には高トルクの工具が必要になります。
→LSBのねじ込み(動画)
Stroog.LSB
ストローグでは、目的に応じてさまざまな径・長さのLSBを用意し、耐力の評価手法を
確立してています。集成材、LVL、CLT等の木材で強度試験を行い、ラーメン接合や
トラス接合等のさまざまな美しく強い接合部を実現できます。
→Stroog.LSB
→Stroog.LSB特設ページ
写真
1.さまざまな径・長さのLSB
2.木口へのLSBねじ込み
3.繊維平行方向にねじ込まれた木材のX線写真により内部破壊が無いことを確認
4.繊維直行方向にねじ込まれた木材のX線写真により内部破壊が無いことを確認