14.ラチス屋根概要図
15.独立柱(写真10.13)概要図
格子状の大屋根で大空間と強度を実現
1本の柱の周囲に同間隔で8本の梁を接合したユニットが連なり、格子状の大屋根を構成しています。この屋根が構造的にも強い水平構面を構成し、多雪地域の積雪にも耐える強度を実現しました。軒下の高さが約4mの大空間には、ガレージ、キッチン、個室などを納めた6つの箱が点在し、そのうち屋根架構まで達する3つの箱は耐震要素を兼ねています。残りの3つの箱の上部はロフトや開口部となっており、開く部分と閉じる部分の絶妙なバランスを実現しています。
空間コンセプトを実現する接合部
空間のコンセプトを実現するため、接合部のディテールはコネクタが木材内部に隠れるように工夫されています。格子状の屋根をはじめとする接合部のコネクタや、内部および外部の柱の柱脚コネクタも見えないようになっており、組子のような大屋根、コンクリートの床に直接立っているような柱など、美しい空間に貢献しています。既製コネクタの使用、木材のプレカットにより、加工および施工の省力化も実現しました。
ラチスの家
設計:吉村靖孝建築設計事務所
構造設計:オーノJAPAN
延床面積:93.08㎡
階数:地上1階
構造:木造
用途:専用住宅
撮影:小野田陽一(1-10)
使用コネクタ
Node.HSS 小規模用梁受コネクタ
Node.Column 柱頭柱脚コネクタ
Node.Fastener その他のコネクタおよびさまざまな接合具