2010年に施行された公共建築物等木材利用促進法により、庁舎や学校など従来では鉄骨や
コンクリート構造で建築されていた中大規模建築物を木造で計画される事例が増えています。
2017年度に国が整備した3階以下の低層公共建築物は、63%が木造となり過去最高となって
います。戦後に整備した人工林が利用可能となっているものの、林業の低迷などにより森林
が荒れてきた現状から国が率先して建物の木造化を進めてきました。しかし、中大規模木造
建築物を設計する場合、主に住宅等の小規模建物用に開発された接合金物ではサイズや耐力
の不足により採用が難しく、特注金物の製作が必要となりコストがかかったり、意匠面でも
使用しにくかったりする問題がありました。
中大規模木造建築物用の既製接合部
ストローグでは、一般的には特注製作が必要となる金物を標準化し、中大規模木造建築物で
も既製品として標準的に使用可能な中大規模用梁受コネクタNode.HSMLの用意があります。
105~900mm以上の梁せいに対応でき、中大規模用に適した耐力を持っています。木材へ
の加工・取付方法も一般的な梁受金物と大きな違いがなく、標準図の用意もあるため採用が
容易です。また、意匠面においてもコネクタが木材の内部に隠れ、スリット加工も小さいた
めあらわし構造の場合でも美しい木質空間を構成することが可能です。
Node.HSMLは、小規模用梁受コネクタNode.HSSやラーメン接合部用コネクタNode.Rigid
などその他コネクタと組み合わせて使用することができるため、多種多様な中大規模木造建
築物に対応することができます。日本建築センターのBCJ評定を取得しており権威ある第三
者機関の審査を受け認められたシステムとして安心して使用できます。
Node.HSML概要
取得評定 :BCJ評定(一般財団法人日本建築センター)
柱材対応樹種 :スギ同一等級構造用集成材E65-F255同等以上
横架材対応樹種 :スギ対称異等級構造用集成材E65-F225同等以上
対応梁せい :105mm~900mm以上
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高耐力柱脚
中大規模木造建築物では高耐力の柱脚金物も求められますが、既製品では必要な耐力、納ま
りに適するものがない場合があります。ストローグでは、高耐力柱脚も既製品で短期基準引
張耐力70kN以上のコネクタがあるため、一般的には特注で金物を製作するような手間やコス
トが不要となります。もちろんこのような高耐力柱脚は、必要に応じて一般住宅などでも使
用可能です。求められる納まりや耐力に応じてご提案が可能で、短期基準引張耐力300kN以
上にも対応した実績があります。
→柱頭柱脚コネクタNode.Column
事例
◎学校法人東京内野学園 東京ゆりかご幼稚園 →Works
設計:渡辺治建築都市設計事務所
特徴:Node.HSMLで接合した既製I型ビームで10mスパンの各教室を構成
◎岩手県気仙郡住田町庁舎 →Works
設計:前田建設工業・長谷川建設・中居敬一都市建築設計・近代建築研究所
特徴:大断面の梁端部にNode.HSMLを使用することで特注金物費用や納期を削減
◎埼玉工業大学ものづくり研究センター →Works
設計:株式会社松田平田設計
特徴:既製コネクタで構成された中大規模木造大学施設
◎神奈川大学横浜キャンパス 国際センター新棟 →Works
設計:有限会社鈴木アトリエ 鈴木 信弘
特徴:柱壁ラーメンとNode.HSMLで主要構造体を構成
◎山陰開発コンサルタント新社屋 →Works
設計:株式会社小草建築設計事務所
特徴:梁端部の大きな耐力が必要な箇所にNode.HSMLを使用