木造ラーメン構造とは

一般的な木造軸組構法では、柱・梁で積雪荷重や建物の自重を支え、耐力壁で風や地震の
水平荷重による建物変形を抑えるというそれぞれの役割でフレームを形成します。木造ラ
ーメン構造では、接合部を強くすることで柱・梁だけで水平力に耐えられるフレームを形
成します。これにより、耐力壁による制約をなくすことができ、S造やRC造のような大開
口や大空間を木造で実現可能となります。
本来のラーメン構造は、S造やRC造において発展してきた剛接合で架構を形成するもので
した。木造ラーメンは、S造やRC造と異なり完全な剛接合ではないため、回転やすべりが
生じ曲げモーメントが作用する半剛接合となります。集成材の規格制定や法的整備を背景
に半剛接合のシステム開発が進展したことから中大規模木造建築物で採用が進みました。
その後、自由度の大きい構造として一般住宅などでニーズが高まっています。
半剛接合である木造ラーメンの耐力はモーメント抵抗接合部により決定することが一般的
です。つまり木造ラーメン構法は、接合部の設計が非常に重要であり、接合部の違いによ
って分類されます。

木造ラーメン構造の接合部
◎ラグスクリューボルト接合型
木材にラグスクリューボルトを挿入し接合する方法
メリット :初期剛性・強度が非常に高い。木材内部に隠れるので美観性に優れる。
      乾式施工が可能。
デメリット:ラグスクリューボルトの木材への挿入は高い精度が必要。

◎鋼板挿入接合型
木材に鋼板を挿入しドリフトピンやボルトを多数本打ち込む接合方法
メリット :初期剛性を比較的大きく設定可能。
デメリット:部材の割裂破壊を生じやすく脆性的な性状を示す。

◎グルードインロッド接合型
木材に鋼棒を挿入し樹脂系接着剤を注入する接合方法
メリット :初期剛性が高い。木材内部に隠れるので美観性に優れる。
デメリット:硬化と温湿度管理が必須で施工条件に大きく影響を受ける。
      施工に時間を要する。熱に弱い。


ストローグの木造ラーメン構造

木造ラーメン接合部用金物のNode.Rigidコネクタを使用することで、接合部の強度が高い
フレームを構成できます。Node.Rigidは、ラグスクリューボルトであるStroog.LSBを使用
することで、金物が持つ粘り強さを利用でき、また高い耐力と高い剛性を確保します。接
合部には接着剤を使用しないので長期的にも優れた耐力を発揮します。
ストローグの木造ラーメン構造は、日本住宅・木材技術センターの新工法認証を取得して
いるため、他のストローグコネクタと併用した多層ラーメン、連続ラーメン、片側ラーメ
、吹抜ラーメン、柱継手、梁継手、柱壁ラーメンなど、プランに応じた構造フレームを
構成できます。またコネクタが木材内部に隠れるカバードタイプも用意しており、接合部
を美しくすると同時に燃え代設計も可能です。

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事例
◎紫竹の町家 →Works
設計      :森田一弥建築設計事務所
ラーメンフレーム:3層門型ラーメンフレーム、2層門型ラーメンフレーム

◎羽根木 I →Works
設計      :都留理子建築設計スタジオ
ラーメンフレーム:2層片側ラーメンフレーム、上部ラーメンフレーム

◎名古屋の住宅 →Works
設計      :納谷建築設計事務所
ラーメンフレーム:2層片側ラーメンフレーム、1層片側ラーメンフレーム

◎豪徳寺の住宅 →Works
設計      :納谷建築設計事務所
ラーメンフレーム:3層3連続ラーメンフレーム

◎M’s GARDEN →Works
設計      :有限会社武田建築設計室
ラーメンフレーム:2層門型ラーメンフレーム、1層門型ラーメンフレーム

◎東花園の家 →Works
設計      :岩橋翼建築設計事務所
ラーメンフレーム:カバードタイプ2層上部ラーメン

◎旧H邸 →Works
設計      :魚谷繁礼建築研究所
ラーメンフレーム:2層片側ラーメンフレーム、2層門型ラーメンフレーム

メリット
1. 自由度
多層ラーメン、連続ラーメン、片側ラーメンなど様々な木構造フレームを構成できるため、
多彩なデザインに対応可能です。

2. 高い施工性
対応プレカット工場にてコネクタを取り付けた後で現場に搬入するため、ラーメン柱にラー
メン梁を落とし込んでドリフトピンを打つだけの簡単な施工方法です。

3. コストの削減
S造やRC造と比べて地盤対策と基礎を簡素化でき工期も短縮できます。耐力壁と併用も可能
であるため、必要な個所のみにラーメンフレームを配置することでコストを削減できます。

4. 各種認定を取得
日本住宅・木材技術センターの新工法認証や日本建築センターの構造評定などを取得してい
るため、構造計算方法が確立されておりスムーズに申請を通すことができます。

デメリット
1. アンカーボルトの設置に精度が必要(設置冶具をご用意しております)

Node.Rigid
木造ラーメン接合部用金物のNode.Rigidコネクタは、Stroog.LSBを用いることで高い耐力
と高い剛性を確保できます。耐力壁と柱に制約されないため、広々とした大空間や、開放的
な大開口など、プランニングの自由度が飛躍的に高まります。
→Node.Rigid

注意点
ラーメンフレームで地震力に抵抗する場合には、建築基準法施行令第46条2項に該当する
為、建物の規模に関係なく構造計算が必要となります。


NodeRigid