木造ラーメン構造 / 片側ラーメンとは

都市部の狭小地で、ビルトインガレージであったり、店舗併用住宅であったりと大開口を
必要とする場合があります。しかしながら、都市では十分な土地の確保が難しいため、ど
うしても間口は狭くなることになります。一般的な木造軸組構法では耐力壁や柱を設けて
水平荷重による変形を抑えるため、狭小間口で大開口を計画することが困難となります。
そこで、耐力壁や柱による制約をなくすことが可能な木造ラーメン構造が採用されます。
ところが、一般的に使用されるラーメンフレームは門型ラーメンのことを指し、その場合
には間口両側に柱型が必要となります。狭小間口においてより開口を確保するために、こ
の柱型が課題となることがありますが、技術革新により片側ラーメンという柱の片方のみ
をラーメン接合とすることで柱型が片方のみで実現できる新たなラーメンフレームも計画
できるようになりました。

門型ラーメン
通常の木構造が、地震力に対して面材や筋交い等の耐力壁で抵抗するのに対して、ラーメ
ンフレームは接合部で抵抗します。図中丸印で囲まれた接合部を半剛接合とすることで耐
力壁が不要となり、木造でも大空間を実現できます。ただし、柱、梁及び接合部で構成さ
れるフレームで地震力に抵抗するため両側の柱断面が大きくなり、その分柱型が建物内部
に突出することになります。ある程度大きなスパンであれば問題ありませんが、スパンが
小さい場合はプランニング上問題になる場合があります。

片側ラーメン
門型ラーメンと異なり、片方の柱のみを半剛接合にすることで、ラーメン接合ではない反
対側の柱を105ミリ角などの細い柱でラーメンフレームを成立させる画期的な方法です。
片側ラーメンの場合、長辺300ミリ程度必要となる柱が105ミリ程度で成立します。
よって、スパンが非常に小さい狭小間口のビルトインガレージでの車の乗り降りを快適に
したり、自転車のスペースを確保したり、廊下幅を確保するなどプランニング上の優位性
があります。地価が高い都心部で僅かなスペースをも有効利用することが可能となります。

事例
◎羽根木 I →Works
設計      :都留理子建築設計スタジオ
ラーメンフレーム:2層片側ラーメンフレーム、上部ラーメンフレーム

◎houseA/shopB →Works
設計      :木村松本建築設計事務所
ラーメンフレーム:1層片側ラーメンフレーム

◎名古屋の住宅 →Works
設計      :納谷建築設計事務所
ラーメンフレーム:2層片側ラーメンフレーム、1層片側ラーメンフレーム

メリット・デメリット
メリットデメリット

Node.Rigid
木造ラーメン接合部用金物のNode.Rigidコネクタは、Stroog.LSBを用いることで高い耐
力と高い剛性を確保できます。耐力壁と柱に制約されないため、広々とした大空間や、開
放的な大開口など、プランニングの自由度が飛躍的に高まります。
→Node.Rigid

注意点
ラーメンフレームで地震力に抵抗する場合には、建築基準法施行令第46条2項に該当す
る為、建物の規模に関係なく構造計算が必要となります。



木造ラーメン構造とは

一般的な木造軸組構法では、柱・梁で積雪荷重や建物の自重を支え、耐力壁で風や地震の
水平荷重による建物変形を抑えるというそれぞれの役割でフレームを形成します。木造ラ
ーメン構造では、接合部を強くすることで柱・梁だけで水平力に耐えられるフレームを形
成します。これにより、耐力壁による制約をなくすことができ、S造やRC造のような大開
口や大空間を木造で実現可能となります。
本来のラーメン構造は、S造やRC造において発展してきた剛接合で架構を形成するもので
した。木造ラーメンは、S造やRC造と異なり完全な剛接合ではないため、回転やすべりが
生じ曲げモーメントが作用する半剛接合となります。集成材の規格制定や法的整備を背景
に半剛接合のシステム開発が進展したことから中大規模木造建築物で採用が進みました。
その後、自由度の大きい構造として一般住宅などでニーズが高まっています。
半剛接合である木造ラーメンの耐力はモーメント抵抗接合部により決定することが一般的
です。つまり木造ラーメン構法は、接合部の設計が非常に重要であり、接合部の違いによ
って分類されます。

木造ラーメン構造の接合部
◎ラグスクリューボルト接合型
木材にラグスクリューボルトを挿入し接合する方法
メリット :初期剛性・強度が非常に高い。木材内部に隠れるので美観性に優れる。
      乾式施工が可能。
デメリット:ラグスクリューボルトの木材への挿入は高い精度が必要。

◎鋼板挿入接合型
木材に鋼板を挿入しドリフトピンやボルトを多数本打ち込む接合方法
メリット :初期剛性を比較的大きく設定可能。
デメリット:部材の割裂破壊を生じやすく脆性的な性状を示す。

◎グルードインロッド接合型
木材に鋼棒を挿入し樹脂系接着剤を注入する接合方法
メリット :初期剛性が高い。木材内部に隠れるので美観性に優れる。
デメリット:硬化と温湿度管理が必須で施工条件に大きく影響を受ける。
      施工に時間を要する。熱に弱い。


ストローグの木造ラーメン構造

木造ラーメン接合部用金物のNode.Rigidコネクタを使用することで、接合部の強度が高い
フレームを構成できます。Node.Rigidは、ラグスクリューボルトであるStroog.LSBを使用
することで、金物が持つ粘り強さを利用でき、また高い耐力と高い剛性を確保します。接
合部には接着剤を使用しないので長期的にも優れた耐力を発揮します。
ストローグの木造ラーメン構造は、日本住宅・木材技術センターの新工法認証を取得して
いるため、他のストローグコネクタと併用した多層ラーメン、連続ラーメン、片側ラーメ
ン、吹抜ラーメン、柱継手、梁継手、柱壁ラーメンなど、プランに応じた構造フレームを
構成できます。またNode.Rigidには、コネクタが木材内部に隠れるカバードタイプも用意
しており、接合部を美しくすると同時に燃え代設計も可能です。

事例
◎紫竹の町家 →Works
設計      :森田一弥建築設計事務所
ラーメンフレーム:3層門型ラーメンフレーム、2層門型ラーメンフレーム

◎羽根木 I →Works
設計      :都留理子建築設計スタジオ
ラーメンフレーム:2層片側ラーメンフレーム、上部ラーメンフレーム

◎名古屋の住宅 →Works
設計      :納谷建築設計事務所
ラーメンフレーム:2層片側ラーメンフレーム、1層片側ラーメンフレーム

◎豪徳寺の住宅 →Works
設計      :納谷建築設計事務所
ラーメンフレーム:3層3連続ラーメンフレーム

◎M’s GARDEN →Works
設計      :有限会社武田建築設計室
ラーメンフレーム:2層門型ラーメンフレーム、1層門型ラーメンフレーム

メリット
1. 自由度
多層ラーメン、連続ラーメン、片側ラーメンなど様々な木構造フレームを構成できるため、
多彩なデザインに対応可能です。

2. 高い施工性
対応プレカット工場にてコネクタを取り付けた後で現場に搬入するため、ラーメン柱にラー
メン梁を落とし込んでドリフトピンを打つだけの簡単な施工方法です。

3. コストの削減
S造やRC造と比べて地盤対策と基礎を簡素化でき工期も短縮できます。耐力壁と併用も可能
であるため、必要な個所のみにラーメンフレームを配置することでコストを削減できます。

4. 各種認定を取得
日本住宅・木材技術センターの新工法認証や日本建築センターの構造評定などを取得してい
るため、構造計算方法が確立されておりスムーズに申請を通すことができます。

デメリット
1. アンカーボルトの設置に精度が必要(設置冶具をご用意しております)

Node.Rigid
木造ラーメン接合部用金物のNode.Rigidコネクタは、Stroog.LSBを用いることで高い耐力
と高い剛性を確保できます。耐力壁と柱に制約されないため、広々とした大空間や、開放的
な大開口など、プランニングの自由度が飛躍的に高まります。
→Node.Rigid

注意点
ラーメンフレームで地震力に抵抗する場合には、建築基準法施行令第46条2項に該当する
為、建物の規模に関係なく構造計算が必要となります。


NodeRigid



柱脚コネクタの施工性向上について

ストローグの1階柱脚コネクタ「HSB-30kN2」及び「HSB-40kNC2」を施工する際に専用基礎パッキン「HSKP-105」をご使用いただければ、施工性・施工精度がさらに高まります。また、アンカーボルトは、必ず専用アンカーボルトM16をご使用ください。

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写真左:専用基礎パッキン「HSKP-105」
写真右:専用アンカーボルトM16

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写真左:専用基礎パッキンの上に設置したストローグ柱脚コネクタ「HSB-30kN2」
写真右:専用基礎パッキンを使用し、精度良く設置された柱脚コネクタ

専用アンカーボルトM16は、専用の設置治具2(改良型)を使用する事で、専用アンカーボルトM16の頭が視認でき、従来品よりも専用アンカーボルトM16の基礎からの出寸法の調整等が容易になります。

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写真左:専用アンカーボルトM16の先端を専用設置治具2で固定。型枠は木製・鋼製どちらにも対応可能。
写真右:専用アンカーボルト設置治具2

専用基礎パッキン「HSKP-105」は、製品側面に刻印がついており、芯合わせ作業を容易に行えます。また、専用基礎パッキン「HSKP-105」の上部の突起部と、「HSB-30kN2」及び「HSB-40kNC2」の底部に施されたガイドとなる凹みを利用して、柱脚コネクタの向きを容易にかつ正確に合わせることが可能です。

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写真左:専用基礎パッキン上面の突起と柱脚コネクタ底部の凹みを合わせることで設置精度が向上。
写真右:専用基礎パッキン側面の刻印と基礎の上に墨出しした芯を合わせることで、施工性・施工精度が向上。

「HSB-30kN2」及び「HSB-40kNC2」を施工する際には、専用レンチ「SWR-M16」のご使用をお勧めしております。専用レンチは、既製のレンチよりも首部分が細いため、コネクタ内部での可動域が広く、コネクタ内部でナットを締め付ける際の作業効率が高まります。また、円形枠部も薄くしていますので、コネクタ内部での締め付けを容易に行う事が出来ます。

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写真左:ストローグ柱脚コネクタを専用レンチで固定。可動域が広くなり施工性が向上。
写真右:首部分が細く、円形部分が薄い専用レンチ「SWR-M16」

「HSB-30kN2」及び「HSB-40kNC2」の施工後は、土台を敷いていただきますが、推奨インパクトソケットをご使用いただくことをお薦めします。
→推奨インパクトソケットについて

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写真左:推奨インパクトソケットで梁受けコネクタを取付
写真右:取り付いた直行方向の梁受けコネクタ

専用基礎パッキン「HSKP-105」、専用アンカーボルト設置治具2、専用レンチ「SWR-M16」、その他コネクタについてはストローグまでお問い合わせください。

ご不明点・ご質問等ございましたらお気軽にお問い合わせください。
→ お問合せフォーム

インパクトソケットについて

ストローグの梁受コネクタ(Node.HSS、Node.HSML)はホゾ付きのため、木材が経年変化で
痩せても横架材がズレ落ちにくい構造になっております。

木材への取付は、ホゾ内部にボルトを挿入し電動インパクトドライバーにて行いますが、ホゾ内法
径Φ23.2mmよりも小さい外径のM12用ソケットを使用する必要がございます。

DSC03523     STROOG_ホゾ部拡大

外径が大きいタイプのM12用ソケットを使用しますと、ホゾ内部に入りませんので、ストローグ
推奨品(外径:Φ22.5mm)をご使用いただけますようご案内いたします。

尚、ストローグ推奨品(山下工業研究所No.BD014N)の取扱いのあるホームセンター等はそれほど
多くはありません。
ストローグにて販売しておりますので、お気軽に下記ご購入フォーム又は窓口までお問合せくださ
い。

DSC03533
ストローグ推奨品:山下工業研究所No.BD014N

DSC03536           DSC03535
ストローグ推奨品 外径Φ22.5mm         外径が大きくホゾ内部に入らないタイプ

ご購入フォーム
定価    :1,390円  ※税別
納期    :1〜3日  ※条件により納期が遅れる場合がございます。予めご了承ください。
お支払い方法:代引き   ※代引き手数料はご負担ください。
送料    ;10個以上ご購入の場合は送料無料。10個未満の場合は、一律600円
→ご購入フォーム

ご購入に関するお問合せ窓口
配送センター
TEL    : 076-471-2229
FAX    : 076-471-2223
E-mail : order-p@stroog.com

NodeHSS


ラグスクリューボルト(LSB)とは

ラグスクリューボルト(以下LSBと記す)は軸部の周囲に雄ネジを加工し、その端部に
雌ネジまたは雄ネジを設けた接合具です。木材に予めLSBの谷径とほぼ同寸の先孔を設
け、その先孔に専用の工具を用いてLSBをねじ込みます。「ラグスクリュー(コーチボ
ルト)」と異なり、LSBの軸方向への引張力に抵抗することを主目的としています。
さまざまなコネクタと組み合わせることで、ラーメン接合部やトラス接合部などを構成す
ることが可能です。

メリット
1.高耐力、高剛性
1本で30トンの荷重に耐える高耐力を発揮することが可能である。また、6トンの荷重
でわずか0.1ミリの変位だけという非常に固い接合部を構成することが可能である。

2.美しい接合部
LSBは木材内部に隠れるので、美しい木肌を活かした接合部を実現することが可能であ
る。

3.高い施工性
LSBは予め工場でねじ込まれ、現場ではねじ締め程度の簡単な方法で接合できるため施
工が容易である。また、接着材を使用しないため温度管理等の養生も不要である。

4.燃え代設計対応
LSBは木材内部に挿入され、木材の周囲に加工穴が発生しないため、燃え代設計にも対
応可能である。

5.粘り強さ
接続するコネクタ等を降伏させることで、エネルギーを吸収できる粘り強い接合部を構成
することが可能である。

デメリット
1.木材に深い先孔を設けるので、加工精度が重要である。
2.接続するコネクタを含めた接合部の耐力を正しく評価する手法の確立が重要である。

木材へのねじ込み
LSBを木材に正確にねじ込む際には高トルクの工具が必要になります。
LSBのねじ込み(動画)

Stroog.LSB
ストローグでは、目的に応じてさまざまな径・長さのLSBを用意し、耐力の評価手法を
確立してています。集成材、LVL、CLT等の木材で強度試験を行い、ラーメン接合や
トラス接合等のさまざまな美しく強い接合部を実現できます。
Stroog.LSB

写真
1.さまざまな径・長さのLSB
2.木口へのLSBねじ込み
3.繊維平行方向にねじ込まれた木材のX線写真により内部破壊が無いことを確認
4.繊維直行方向にねじ込まれた木材のX線写真により内部破壊が無いことを確認

StroogLSB