非住宅・中大規模木造建築物における特注コネクタの製作

国・自治体による様々な木材利用の促進策が講じられ、接合金物やプレカット工場での加工技術など木造建築技術が飛躍的に進歩し、中大規模建築物や非住宅建築物の木造化事例が増えてきています。木造化が普及してきているとは言え、まだまだ課題もあります。設計する上での課題の1つに「接合部」があります。非住宅・中大規模木造建築物の場合、一般的な接合金物では納まりや耐力などの問題から採用が難しく、物件に応じた特注金物の製作が必要になることがあります。
ストローグでは一般的には特注製作が必要となる金物を標準化し、非住宅・中大規模木造建築物でも既製品として標準的に使用可能な中大規模用梁受コネクタNode.HSMLや高耐力の柱脚コネクタNode.Columnの用意があります。
→中大規模木造建築物の既製接合部と高耐力柱脚
→中大規模木造建築の課題とストローグの対応

ストローグの特注コネクタへの対応
ストローグでは、既製品のご採用と合わせて特注コネクタの製作も対応しております。物件毎にご要望の納まり・耐力に応じて接合部のご提案や製造を行っており、より自由度が高い設計が可能となります。特注コネクタは、既製品のカスタマイズや鋼板挿入型、CLT用特殊接合、Steel柱、高耐力柱脚など数多くの製作実績があり、さまざまな表面処理に対応しています。設計段階からご相談をいただけましたら、ストローグの木構造エンジニアリングによる知識と技術を活かし接合部の実験・開発・製作図の作成のご協力もいたします。

 

        

        

 

これまで庁舎や教育施設、社屋、商業施設など数多くの非住宅・中大規模木造建築物用の特注コネクタの製作を行ってきました。以下に一例ではございますが事例をご紹介いたします。

 

特注コネクタ建築の一例
◎ししいわハウス軽井沢No.2 →Works
設計  :坂茂建築設計
構造  :樅建築事務所
用途  :宿泊施設
製作対応:トラス構造部の吊具等を製作

 

◎タクマビル新館(研修センター) →Works
設計  :株式会社竹中工務店
構造  :株式会社竹中工務店
用途  :事務所
製作対応:集成材のマリオン接合部は強度をStroog.testで確認し、特注コネクタで開発・製作対応

 

◎遠藤建築アトリエ社屋 →Works
設計  :株式会社遠藤建築アトリエ
構造  :株式会社 ANDO Imagineering Group
用途  :事務所
製作対応:開口部に配置されている木ブレースの接合部は製作コネクタで対応

 

◎SFH →Works
設計  :株式会社彦根建築設計事務所 彦根アンドレア
構造  :Stroog.design
用途  :保育園 兼 住宅
製作対応:丸柱から各10方向へのびる梁接合部を設計製作

 

◎TBM PROJECT →Works
設計  :NIIZEKI STUDIO
構造  :多田脩二構造設計事務所
用途  :事務所 兼 倉庫
製作対応:V字のCLT折板梁と柱の接合部にはStroog.LSBを使用し特注コネクタを製作

 

◎山王のオフィス →Works
設計  :栗原健太郎+岩月美穂 / studio velocity
構造  :藤尾建築構造設計事務所
用途  :事務所兼用住宅
製作対応:扁平梁のたわみに対応した特殊コネクタをStroog.testで強度試験を行い開発・製作対応

 

◎上松町役場新庁舎
設計  :株式会社エーシーエ設計
構造  :株式会社坪井宏嗣構造設計事務所
用途  :役場
製作対応:鋼板挿入方式で設計され、139種1185個の特注コネクタを製作

 

◎奄美の新民家 →Works
設計  :株式会社ISSHO建築設計事務所
構造  :ASD
用途  :民泊施設
製作対応:特徴的な木ブレースを接合するために特注コネクタを製作し対応

 

◎O様邸ギャラリー
設計  :有限会社オリス
構造  :Stroog.design
用途  :ギャラリー
製作対応:8本の登り梁が集まる建物頂部を特注コネクタで製作し対応

 

◎山陰開発コンサルタント新社屋 →Works
設計  :株式会社小草建築設計事務所
構造  :株式会社 TiS & PARTNERS
用途  :事務所
製作対応:必要な高耐力を満たす柱脚コネクタや木ブレースを製作

 

 

→ Contact Form(資料請求・お問合せ)
















4号特例の縮小と構造計算

これからの木造建築の耐震設計
2025年4月から、すべての新築住宅・非住宅に省エネ基準適合が義務付けられます。それに伴い、
建築確認・検査対象の見直しや審査省略制度の縮小(4号特例の縮小)が行われます。特に木造建築
では、この見直しにより建築確認の際に省略されていた構造審査が行われる対象範囲が広がることと
なります。また2階建て以下の木造建築では、構造審査が実施されることに加えて、延べ面積300
平米超の建物には構造計算(許容応力度計算)が義務付けられます。

今後の壁量計算と構造計算
2025年に建築基準法が改正されると、以下の3つのいずれかの方法で壁量の確認が求められる見
込みです。
※国土交通省:木造建築物における省エネ化等による建築物の重量化に対応するための 必要な壁量等
の基準(案)の概要より(2023年現在)

①個々の建築物の荷重の実態に応じてより精緻に検証する方法
②簡易に必要な壁量を確認する方法
③構造計算により安全性を確認する方法

①は許容応力度計算と同様に荷重を計算して必要壁量を確認する方法で、②が従来の壁量計算となり
ます。③が構造計算(許容応力度計算)で、地震・風の力に耐えられるかが単純な壁量だけでなく部
材・接合部毎でも緻密な検討を行うため、より安全な建物であると証明することができます。
今回の改正により、ZEH水準等の建物における壁量の基準が追加される見込みです。これはZEH
水準等とすることで建物荷重が大きくなることを考慮しての壁量基準です。今後の木造建築では、壁
量が増えることでのプランニングの自由度が課題となる可能性があります。

熊本地震での木造建築の被害
耐震基準は、大きな地震が発生した際に被害状況が調査され、その内容を基に見直されてきました。
例えば、阪神・淡路大震災後の2000年に改正された際には、耐力壁の配置バランスや接合金物の
仕様などについて定められました。熊本地震後に国交省がまとめた結果では、1981年以前の旧耐
震基準で建てられた木造建築物の被害率が顕著に大きく、2000年以降の基準で建てられた木造建
築物は被害率が小さかったと報告されています。また、熊本地震では住宅性能表示制度を活用した木
造建築物では、耐震等級3のものは大部分が無被害であったことから、住宅性能表示制度や構造計算
で耐震等級を高めた建築とすることも重要であると考えられています。

  

ストローグを使用した耐震設計・構造計算
省エネ基準適合が義務付けられることで、今後はZEH水準等の建物における壁量の基準が追加され、
従来よりも必要壁量が増える見込みです。また、過去の地震被害から耐震性能を高めた木造建築が求
められ、住宅性能表示制度や構造計算で耐震等級3とすることで必要となる柱や壁によるプランニン
グ制限との調整が必要となります。

ストローグでは、耐震性能を高める各種コネクタを使用した構造計算サービスも提供しており、用途、
規模、プランに応じて最適な構造を検討して安全性を確認できます。壁量が多く開口が取れない場合
でも、木造ラーメン用のコネクタNode.Rigidを使用することで、柱や壁にプランニングを制限される
ことなく自由に設計することができます。また、ストローグの梁受コネクタは断面欠損が小さく従来
の蟻仕口接合部と比べて耐力が高く最大耐力は約1.5倍です。地震による損傷・倒壊の要因の一つで
ある木材の断面欠損をストローグを採用することでより小さくすることができ、耐震性を高めること
が可能です。強度はもちろんですが、スリット加工が小さいため意匠面でも優れています。

耐震性能を検証するためにさまざまな実験を行っており、国立研究開発法人防災科学技術研究所など
で行った実大振動実験では、阪神・淡路大震災クラスの地震に耐えられることが実証されています。
その他、公的機関でのピン・ラーメン接合部単位での検証試験などを行い安全性を追求しています。

→ Contact Form(資料請求・お問合せ)








中大規模木造建築の課題とストローグの対応

中大規模木造建築の現状と今後
国土交通省の建築着工統計によると、住宅と非住宅ともに木造率が高まってきています。
ただし、住宅と非住宅で比べると、非住宅の木造率はまだまだ低い状況といえます。
2020年の床面積ベースで見ると、住宅の木造率が66.1%なのに対し、非住宅は
8.6%となっています。
建設されている建築物全体の床面積に対して非住宅が占める割合の高さを考えると、
非住宅の木造化が進むことで建築物全体の木造率が高まるといえます。

また、2020年の新築着工床面積を見ると、木造建築物は住宅・非住宅ともに1~2
階建てに集中しています。
住宅で見ると、1~2階建てでは80%以上が木造であるものの、3階建てでは約50
%強、4階建て以上となると現状はほぼ木造はありません。
非住宅で見ると、木造はほぼ1~2階建てに限られており、割合としてはは20%に満
たない状況です。

この結果から、住宅では4階建て以上、非住宅では全体として木造化が進んでいない現
状となっており、中大規模木造の市場はまだまだあるといえます。
2019年の耐火関連の法改正なども、中大規模木造を計画していく上での追い風とな
り、今後も中大規模木造がさらに増えていく可能性を秘めています。

 

中大規模木造建築での課題とストローグでできること
法改正や助成金の充実などにより中大規模木造は増えていますが、まださまざまな課題
があります。
課題としては例えば以下のようなことがあげられます。

・製材で大きな断面や乾燥材が必要な場合にJAS材として流通していない場合がある
・大断面集成材や特注金物を使用するとコストがかかる
・耐火要件をクリアするためのハードルが高い(仕上げ・コスト・接合部など)
・大きな耐力に対応できる既製金物が少ない
・特殊な接合部を検討する場合に時間と手間がかかる

 

木材の調達や耐火要件のクリアなどの課題もありますが、ここで特に接合部の技術につ
いてストローグでできることをご紹介します。

・既製品で梁せい900mmにも対応可能な梁受コネクタ(Node.HSML)がある
・既製品で短期基準引抜耐力70kN以上の柱脚コネクタ(Node.Column)がある
Node.Columnには特注で短期基準引抜耐力300kN以上の柱脚もある
・さまざまな樹種、断面に対応したラーメン接合部用コネクタ(Node.Rigid)がある
・高倍率の鋼製ブレース鉛直構面・水平構面(Node.Fork)を構成可能
・一般流通材を使用可能なトラス接合部用コネクタ(Node.Free)がある
・地域産材を使用して光、風を通すラチス耐力壁(Face.Lattice)を使用可能
・CLTなど木質パネルで積載荷重と地震力に抵抗する構成を実現可能(Face.Solid
・CLT用の接合部など、これからの中大規模木造に求められる技術に対応している
・設計段階から接合部の納まり、形状、耐力のご相談が可能
・物件毎で接合部を開発、試作、実験、検証を自社で行う体制が整っている
・特注製作コネクタのご提案、図面作成、製作を一貫して対応できる
・設計者様で検討されて図面にスペックされた特注金物の製作にも対応
・日本全国各地に対応プレカット工場があり、国内すべての地域で利用が可能

 

ストローグでは、中大規模木造建築に適した既製コネクタだけでなく、物件に応じて特
注コネクタを製作して適宜使用することもできるため、中大規模木造建築の計画におい
てより自由度が高い設計が可能となります。
設計段階からご相談をいただければ、既製コネクタと特注コネクタの納まりの確認や、
必要に応じて実験で耐力確認も可能です。
以下にストローグをご採用いただいた中大規模木造建築の一例をご案内します。

 

 

ストローグを使用した中大規模木造建築の一例

◎CLT PARK HARUMI →Works
設計:三菱地所設計
延床面積:1,631.06㎡(3棟合計)
構造:木(CLT)造、鉄骨造地上2階
仮設建築物として移築可能な接合部としたCLT建築

 

◎桐朋学園音楽部門仙川新キャンパス →Works
設計:前田建設工業株式会社、隈研吾建築都市設計事務所
延床面積:4,765.21㎡
構造:木造地上4階、RC造地下1階
求められた高耐力壁用の柱脚接合部を実験にて確認して開発

 

◎大槌町文化交流センター →Works
設計:前田建設工業・近代建築研究所・中居敬一都市建築設計・TOC異業種特定建設共同企業体
延床面積:2,216.99㎡
構造:木造地上3階
既製の中大規模用梁受コネクタを使用した1時間準耐火の純木造3階建ての図書館複合施設

 

◎岩手県気仙郡住田町庁舎 →Works
設計:前田建設工業・長谷川建設・中居敬一都市建築設計・近代建築研究所
延床面積:2,883㎡
構造:木造地上2階
東京大学の稲山教授とストローグが共同開発したラチス耐力壁(Face.Lattice)を使用

 

◎埼玉工業大学ものづくり研究センター →Works
設計:株式会社松田平田設計
延床面積:981.44㎡
構造:木造地上1階
既製コネクタとFace.Latticeで構成された中大規模木造大学施設

 

◎鷹栖地区住民センター →Works
設計:株式会社アトリエブンク
延床面積:2,059.88㎡
構造:木造地上2階
北海道産の木材を使用した美しいあらわし構造の中大規模木造建築物

 

◎南三陸町生涯学習センター →Works
設計:八重樫直人+ノルムナルオフィス、日新設計
延床面積:1,780.52㎡
構造:木造地上1階
Face.Latticeを使用することで南三陸町産スギの活用にも寄与

 

◎道の駅 までい館 →Works
設計:株式会社関・空間設計
延床面積:1,212.57㎡
構造:木造地上1階
一般流通材と既製コネクタ、高耐力柱脚を使用した道の駅

 

◎道の駅 平泉 →Works
設計:株式会社関・空間設計
延床面積:1,567.42㎡
構造:木造地上1階
既製コネクタと角度付き梁受コネクタで構成された道の駅

 

◎道の駅 和紙の里ひがしちちぶ 農産物直売所 →Works
設計:松本康弘建築工房
延床面積:647.50㎡
構造:木造地上1階
村産材のスギ・ヒノキ無垢材と既製コネクタで構成された道の駅

 

◎学校法人東京内野学園 東京ゆりかご幼稚園 →Works
設計:渡辺治建築都市設計事務所
延床面積:1,795㎡
構造:木造地上2階
Node.HSMLで接合した既製I型ビームで10mスパンの各教室を構成

 

◎みやこのじょう児童学園 →Works
設計:MARU。architecture
延床面積:1,602.44㎡
構造:木造地上2階
既製コネクタで構成された中大規模木造の認定こども園

 

◎神奈川大学横浜キャンパス 国際センター新棟 →Works
設計:有限会社鈴木アトリエ 鈴木 信弘
延床面積:771.82㎡
構造:木造地上1階、RC地下1階
柱壁ラーメンNode.HSMLで主要構造体を構成

 

◎フクマスベース/福増幼稚園新館 →Works
設計:吉村靖孝建築設計事務所
延床面積:685㎡
構造:S造+木造地上2階
既製コネクタとNode.Freeでユニバーサルジョイントを実現した幼稚園

 

◎調布白菊幼稚園 別棟 →Works
設計:渡辺治建築都市設計事務所
延床面積:441㎡
構造:木造地上2階
ストローグによりRC造や重量鉄骨造と比べ30%以上コスト削減

 

◎浦和明の星女子中学・高等学校 カフェテリア棟 →Works
設計:清水建設株式会社 / 加地 則之
延床面積:719.78㎡
構造:木造、一部鉄骨造地上2階
木質アーチ架構の柱脚部にNode.Columnを使用

 

◎「だんだん」保内児童センター・保内保育所 →Works
設計:一級建築士事務所 アンブレ・アーキテクツ
延床面積:735.31㎡(児童センター)、1,341㎡(保育所)
構造:木造地上1階
ハイサイド連窓にNode.Forkを使用した美しいあらわし構造の中大規模木造建築物

 

◎TBM PROJECT →Works
設計:NIIZEKI STUDIO
延床面積:610.59㎡
構造:木造地上1階
CLT屋根架構を特注コネクタで接合した中大規模木造のオフィス兼倉庫

 

◎TPG Care-Terrace Yomaki →Works
設計:株式会社SALHAUS
延床面積:671.27㎡
構造:木造地上2階
小断面の製材とNode.Forkを使用して小屋組みを構成した中大規模木造の複合施設

 

◎アキュラホーム 埼玉北支店 住まいと暮らしサロン →Works
設計:河野泰治アトリエ
延床面積:432.55㎡
構造:木造地上3階
一般流通材と既製コネクタを使用した中大規模木造の事務所

 

◎山陰開発コンサルタント新社屋 →Works
設計:株式会社小草建築設計事務所
延床面積:742.53㎡
構造:木造地上2階
梁端部の大きな耐力が必要な箇所にNode.HSMLと特注コネクタを使用

 

◎ウッドワンプラザ金沢 →Works
設計:株式会社伊東豊雄建築設計事務所
延床面積:499.22㎡
構造:木造地上2階
柱と高性能耐力壁を兼ねたB種LVLとCLT床パネルで吹抜け大空間を実現

 

◎柳小路南角 →Works
設計:三井嶺建築設計事務所
延床面積:756.47㎡
構造:木造、一部RC造・鉄骨造地上3階
1・2階はRC造と木造、3階はRC造と鉄骨造の平面混構造の中大規模木造店舗

 

◎ドゥース・ヌッカ(旧 草千里レストハウス) →Works
設計:アルセッド建築研究所
延床面積:914.36㎡
構造:木造地上2階
ラーメン接合部用コネクタNode.Rigidを使用し開放的な大空間・大開口を実現

 

◎東京大学 弥生講堂アネックス →Works
設計:河野泰治アトリエ
延床面積:479.48㎡
構造:木造地上3階
一般流通材で特殊1方向ラーメンの大空間・大開口を実現

 

 

→ Contact Form(資料請求・お問合せ)





NodeRigid

NodeFree
FaceLattice


























ストローグを使用した構造設計の事例

構造計算の重要性
一般的な住宅の場合、4号特例により確認審査機関では構造的なチェックは行われず、担当建築士
により壁量計算などの簡易的な計算が行われ安全性を確認しています。しかし、近年発生している
大地震により、建主側が耐震性を求めて緻密な構造計算を要望するケースが増えています。実際、
構造計算を行うことで、壁量計算では検討できない詳細な検討が可能です。構造計算では建物ごと
で異なる各箇所にかかる荷重や地震・風の力に耐えられるかなどが緻密に検討されます。壁量計算
で確認した建物でも構造計算を掛け直してみると壁量が不足しているということもあり得ます。
また、2025年4月から、すべての新築住宅・非住宅に省エネ基準適合が義務付けられます。
それに伴い、建築確認・検査対象の見直しや審査省略制度の縮小(4号特例の縮小)が行われます。
→構造計算の重要性
→4号特例の縮小と構造計算

ストローグを使用した構造設計
ストローグを使用することで構造的に安全な建物を計画でき、デザイン面や経済面も含めた構造設
計を進めることが可能です。地震による損傷・倒壊の要因の一つである木材の断面欠損をストロー
グを採用することでより小さくすることができ、耐震性を高められます。例えば、105×240
mmの部材両側欠損の場合、断面係数低減率は在来仕口で46%、ストローグで86%となります。
また、強度はもちろんですが、一般的な金物と比べてスリット加工が小さいため意匠面でも優れて
います。

耐震面で言えば、熊本地震では住宅性能表示制度を活用した木造建築物では、耐震等級3の建物は
大部分が無被害であったことから、住宅性能表示制度や許容応力度計算で耐震等級を高めていくこ
とも重要であると考えられています。しかし、耐震等級を上げると壁量を増やす必要があり、柱や
耐力壁によりプランに制約が生じるというジレンマもあります。
ストローグでは一般的な金物工法などとは異なり、ラーメン接合部用コネクタNode.Rigidなどを併
用する事で、耐震性を確保しながら大開口や大空間など自由度が高いプランニングを実現できます。
また、鉄骨造やRC造と比べ、地盤対策と基礎の簡素化によりコストを抑えた設計も可能です。

ストローグでは各種コネクタを使用する建物の構造計算サービスも提供しており、用途、規模、プ
ランに応じて最適な構造計算を行って安全性を確認できます。
ラーメン接合部やトラス接合部など高度な解析が必要となる場合はストローグへご相談ください。
高度な解析が必要ない場合はテクニカルブックをご参照いただき、設計者様にて構造設計を進めて
いただけます。
→ Contact Form(物件相談) ※ご希望の項目「物件相談」をご選択ください。

ストローグを使用した主な建物実績の一例(2020年2月現在)
    
※その他、様々な用途・規模で実績がございます。

ストローグを使用した構造設計の事例
◎幼稚園 →Works「調布白菊幼稚園 別棟」
建設地:東京都
延床面積:441㎡
構造:木造地上2階
特徴:RC造や重量鉄骨造と比べ30%以上コスト削減

◎認定こども園 →Works「空と海 認定こども園」
建設地:愛媛県
延床面積:A棟:490.18m² B棟394.5m² 計884.68m²
構造:木造地上1階
特徴:高さ約6m、9m×12mの遊戯室などの大空間を立体解析により構造の安全性を確認

◎店舗 →Works「M’s GARDEN」
建設地:愛知県
延床面積:北棟302.67㎡ 南棟140,80㎡ 計443.47㎡
構造:木造地上2階
特徴:門型ラーメンをトンネル状に連続配置することで、間口5.4m奥行27mの無柱空間を実現

◎事務所 兼 ショールーム →Works「ウッドワンプラザ金沢」
建設地:石川県
延床面積:499.22㎡
構造:木造地上2階
特徴:CLT床パネルとLVL耐力壁を使用した中大規模木造建築物

◎事務所 →Works「ウッディパーツ新オフィス」
建設地:富山県
構造:S造スケルトン、木造インフィル
特徴:Node.Freeで構成された張弦トラスで天井高4mの執務エリアを構成

◎農舎
建設地:福井県
延床面積:396.06m²
構造:木造地上2階
特徴:Node.Rigidで垂直積雪量2mの条件の下、スパン11m、奥行19m、高さ8mの大空間を実現

◎宿泊施設
建設地:長野県
延床面積:9,237m²(全7棟)
構造:木造地上2階
特徴:全7棟の大規模ホテルをストローグコネクタにて実現

◎住宅 →Works「羽根木 I」
建設地:東京都
延床面積:122.45m²
構造:RC造(地上1階)、木造(地上2、3階)
特徴:狭小間口において混構造の建物を片側ラーメンを使用して開放的なトンネル状空間を実現

◎住宅
建設地:富山県
延床面積:135.81m²
構造:木造地上1階
特徴:垂直積雪量1.5mの条件の下、八角形の建物をNode.Forkで屋根のスラストを抑制し実現

◎住宅 →構造見学会配布資料お問合せ
建設地:静岡県
延床面積:163.96m²
構造:木造地上2階
特徴:Node.Rigidによりスパン10m、奥行き9.5mの木造スケルトンと大開口を実現

その他、一般住宅・店舗併用住宅・店舗・児童施設・福祉施設・共同住宅・宿泊施設・事務所など
大空間や大開口なども含めた様々な物件でご採用いただいております。

→ Contact Form(資料請求・お問合せ)

















構造計算の重要性

構造設計とは
構造設計とは、柱や梁、壁、金物、基礎など構造的な要素を検討し、建物の安全性を確認して設計
を行うことです。また、建物の自重や積雪荷重、地震や台風などについて建物の規模、用途、構造
体の種類に応じて、デザイン面やコスト面も含めた適切な設計を行う必要があります。構造設計の
中で緻密な構造計算を行うことで、建物条件に応じて安全性を確認することも重要です。
建築設計では大別すると構造設計以外に、間取りや外観・内観などデザイン面の検討を行う意匠設
計、電気設備や水道・空調などの配管関係を検討する設備設計があります。建築は、各設計部門と
連携して建物の様々な整合性を確認することで計画されます。

木造建築物の構造設計
木造建築物の場合、構造設計の一部分として仕様規定に基づき以下のいずれかの基準で構造計画が
進められます。

・壁量計算、壁の配置バランス、N値計算など簡易的な計算を行い安全性を確認
・許容応力度計算などによる緻密な構造計算にて安全性を確認

4号建築物に該当する建物の場合、確認申請時に構造審査を省略することが可能となります(4号
特例)。木造2階建ての一般住宅の大半がこの4号建築物に該当するため、ほとんどの場合で確認
審査機関では構造的なチェックは行われません。つまり4号特例となる場合は、建物の安全性の確
認方法は担当する建築士の判断に委ねられることとなります。この状況から、これまで保存義務が
なかった4号建築物での壁量計算書などの構造図書ついて、2020年3月1日からは建築士事務
所に15年間の保存を義務付けられました。

※2025年4月からは、木造建築物を建築する場合の建築確認手続きが見直し(いわゆる4号特
例の縮小)が予定されています。
→4号特例の縮小と構造計算

安全な木造建築物のための構造計算
前述の通り、4号建築物でも壁量計算書などの保存が義務化されたとはいえ、確認申請の際には構
造的なチェックが行われないため、本当に安心できる建物とする場合は構造計算を行うことが重要
となります。構造計算を行うことで、壁量計算では検討できない詳細な検討が可能です。構造計算
では建物ごとで異なる各箇所にかかる荷重や地震・風の力に耐えられるか、大きな吹抜けがある場
合の安全性の確認などが緻密に検討されます。
もちろん壁量計算を行った建物が安全ではないということではありませんが、検討内容に差がある
ため、右にある表のように、壁量計算で確認した建物でも構造計算を掛け直してみると壁量が不足
しているということもあり得ます。必要壁量、存在壁量ともに示す壁量が異なっていますが、以下
のような理由が考えられます。

◎必要壁量の違い
・地震力・風圧力に必要な壁量について、許容応力度計算では詳細な荷重条件も加味しているが、
壁量計算では定数でしか検討されていないため
・許容応力度計算では吹抜け、スキップフロアなどの検討(地震力が伝達されているかなど)が行
われ耐力壁が必要な位置が算出されるが、壁量計算では検討されないため
・建物階高により必要な壁量が増減するため許容応力度計算では詳細検討されますが、壁量計算で
は詳細検討されないため

◎存在壁量の違い
・スキップフロアや吹抜けがある際に、壁量計算では水平構面の検討が行われず、地震力が伝達さ
れない位置に配置された耐力壁も壁量として算出されているため
・丘立ち柱となる梁上に耐力壁が配置される際に、許容応力度計算では梁のたわみによる倍率の低
減を検討するが、壁量計算では検討を行わないため

上記の通り、壁量計算だけでは本当に安全な建物だと判断することは難しい場合があります。構造
計算を行うことで建主への安心の裏付けとなるため、設計者としてもより良いご提案が可能となり
ます。

また、ストローグを使用して構造計算を行うことで、在来工法や一般的な金物工法とは異なり、柱
や壁に制約されない大開口や大空間など意匠面の自由度にも対応しつつ、構造的に建物の安全性を
確認することができます。
→ストローグを使用した構造設計の事例

→ Contact Form(資料請求・お問合せ)